◆埼玉大学創立70周年記念事業◆「今後のケアのあり方について考える」 埼玉大学連続市民講座part10「未来を照らす-知の最前線-」第1回を開催
2019/5/31
埼玉大学と読売新聞さいたま支局との共催による連続市民講座part10「未来を照らす-知の最前線-」が5月25日(土)より始まりました。
この講座は、今年度で10回目となりました。この10年間、埼玉大学での研究をご紹介しつつ、豊かな地域づくりに貢献したいという思いから、市民の皆さまとともに、様々なテーマについて考えてまいりました。今年度の連続市民講座は「未来を照らす-知の最前線-」をテーマに、各学問領域における知の最前線のその先に、「豊かな未来」へとつながる道を考えていきます。
第1回は、第1部(講演)、第2部(パネルディスカッション)の2部構成となっており、第1部では、大学院人文社会科学研究科の金井郁准教授を講師に「働き方の未来-就業とケアのあり方を考える-」と題した講演が行われました。講演では、育児や介護等の「ケア」において、人はみな依存する存在であり、依存して生きる者たちには「ケア」が必要であることの説明があり、続いて、「ケア」を担う人々に対する社会的評価を変えることなしに、「ケア」労働を担わなければならない人々の平等を実現することは不可能ではないかとの説明がありました。また、「ケア」を担う人々の位置づけについて、日本の労働市場の特徴である、男女間賃金格差が大きいこと、女性管理職比率が低いこと、正規?非正規の処遇格差が大きく、ジェンダーによる偏りが大きいことの説明がありました。第2部では、パネリストに日本労働組合総連合会の井上久美枝総合局長、コーディネーターに大学院人文社会科学研究科の禹宗杬教授を迎え、「ケア」の多くを担っているパート労働者の処遇について日本社会はどのようにすべきか、就業と「ケア」のあり方についてどう考えていくべきかを論点にパネルディスカッションが活発に行われました。
当日は約270名の方が受講し、熱心に聴き入る受講者の姿が多く見受けられ、講演後にご協力いただいたアンケートでは、「最も『今』考えなくてはならないテーマなので素晴らしかった」「ケアの視点から問題提起され、男女間の格差がより明確に浮かび上がり勉強になった」などの感想が寄せられました。
次回は6月22日(土)に、大学院理工学研究科の森安裕二教授による「生物学の最前線-植物『液胞』を理解する-」と題した講演を行います。どなたでも受講でき、事前の申し込みも不要です。手話通訳も行われますので、お気軽にご参加ください。
皆さまのお越しをお待ちしております。
挨拶する山口学長
挨拶する井口副学長
第1部で講演を行う金井准教授
第2部パネルディスカッションの様子
コーディネーターを務めた禹教授
挨拶する読売新聞東京本社さいたま支局 福元支局長
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